【2331T014】 新しい江戸時代が見えてくる 平和と文明の265年
実施日 | 2023/11/25 ~ 2023/12/16 | 曜日 | 土 |
時間 | 第1,4回14:00~15:30 第2,3回15:30~17:00 | 定員 | 36名 |
キャンパス | 飯田橋キャンパス | 教室 | |
受講料 |
10,100円 | 単位 | 1 単位 |
講座の説明
戦国の争乱を克服し、列島規模で平和を実現した江戸時代。実は、今日の私たちは江戸時代と地続きの時代であり、私たちは隣り合わせの時代に生きているのです。幕府と藩による強固な統治・行政システム、社会・経済の発展、教育・文化の普及など、この時代に形づくられた制度・システム・習慣は、現代の日本社会の重要な土台となっています。ともすれば抑圧的な「封建時代」、勧善懲悪の時代劇イメージで語られてきた江戸時代ですが、世界史上まれな平和な時代でもあったのです。さらに江戸時代の社会の特徴は、明治維新によって終わるのではなく、「江戸的」「和風」「和様」などとして途切れることなく現代に続いています。たとえば、江戸の首都機能は、そのまま東京へと引き継がれ、各地の城下町の多くも、県庁所在地あるいは地域の中核都市として機能しています。官僚制も江戸以来の制度・システムを多く引き継いでいます。また家族という社会の単位が安定したのも江戸時代です。江戸時代は、これまで想像されていた以上に、豊かで成熟していました。本講座では、拙著『新しい江戸時代が見えてくる(吉川弘文館)』の内容を主に紹介しながら、豊かで成熟した江戸265年の歴史を、「平和」と「文明化」をキーワードに、今日的視点から見直し、日本史における江戸時代の意味について考えます。
講座スケジュール
回 | 実施日 | 講座内容 | 担当講師 |
---|---|---|---|
1 | 2023/11/25(土) |
江戸の創生 (「平和」の到来/首都江戸の誕生/鎖国と日本人/官僚になった武士) |
大石 学 |
2 | 2023/12/02(土) |
江戸の発展 (吉宗が見た夢ー享保リフォーム/大岡越前の虚像と実像/江戸時代の「小さな政府」/江戸の経済発展) |
大石 学 |
3 | 2023/12/09(土) |
江戸の達成 (江戸の「教育力」/新選組ーラスト・サムライかファースト・ミリタリーか/篤姫と和宮ー大奥の「内政」と「外交」/官僚革命ー坂本龍馬と明治維新/軍備の近代化ー会津藩の幕末維新) |
大石 学 |
4 | 2023/12/16(土) | 近代国家への夢 | 大石 学 |
対象者
一般の方・大学生・高校生
講師
大石 学(おおいし まなぶ)
東京学芸大学 名誉教授、時代考証学会 会長
【プロフィール】
日本近世史学者。1976年東京学芸大学社会科卒業、同大学院修士課程修了。1982年筑波大学大学院博士課程単位取得満期退学、1987年名城大学専任講師、1989年助教授、1997年東京学芸大学助教授、2001年教授。2016年4月より2018年3月まで副学長(兼附属図書館長)。2018年9月1日より独立行政法人日本芸術文化振興会監事。
NHK大河ドラマ『新選組!』『篤姫』『龍馬伝』『八重の桜』等の時代考証を担当。2009年、時代考証学会を設立、現在同会会長。
著作は多数にのぼるが、本年1月に『明治・大正・昭和の時代劇メディアと時代考証』(勉誠出版)を上梓した。
