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東京都立大学オープンユニバーシティ

コンテンツの開始

【2231G101】 いま、「死」と「生」の あわいについて考える

受付終了

実施日 2022/10/13 ~ 2022/12/08 曜日
時間 18:30 ~ 20:00 定員 70名
キャンパス オンライン 教室
受講料
16,000円 単位 2 単位

講座の説明

東京都立大学オープンユニバーシティでは、オンライン スペシャル講座を開講いたします。オンラインならではの特性を活かし、全国の様々な研究者や専門家が登壇し、ユニークかつ興味深い講座を提供します。
今回は『死』というものと、ある意味その対極にある『生きる』ということについて哲学、宗教、医学、生物学、文学、歴史、芸術など多くの観点から、本学教員をはじめ研究者・専門家と共に考えていきます。

あらゆる生き物はかならず死を迎えます。逆に言えば、いつ到来するかわからない死によって、つねに生は限定されています。死の定義は地域、文化、時代によって異なり、死を想像し解釈することは人間の文化の中核を占めています。一方で、死は、恐怖と不安をともなう、容易には受け入れがたい悲劇的な出来事ですが、他方で、死は新たな旅立ちや再生、救済や解放として肯定的にも表象されてきました。宗教的発想によれば、肉体が滅びた後も魂が生き延びる死後の世界があるのです。文学・芸術の表現において、登場人物の死や死の風景などは不可欠な要素です。有限な存在が死をいかに自覚するか、死にはいかなる意味があるのかという問いからは哲学的な思索が始まるでしょう。死や死者に対するとき、人間は居心地の悪さを感じ、その向こう側をさまざまに想像し始めます。死とは誰にも理解可能な透明な真理ではなく、謎に包まれた不透明な宿命です。この不透明さを想像する点に人間文化の発端があり、つまり、人間文化と死は切り離せないものです。感染症と戦争の危機にあるいま、死について多様な観点から考えます。

本講座は8回シリーズの講座となり、様々な分野の研究者・専門家8人による講義となりますが、講座全体のコーディネーターを東京都立大学 人文社会学部 西山雄二教授が務めます。
毎回の講義の最後に、登壇される講師の方々と西山教授とのミニ対談も実施する予定です。
多くの学問分野の先生方が登壇しますので、今後の進路を考えている高校生の皆さんにも参考になると思います。ご期待ください。

講座ナビゲーター:東京都立大学 教授 西山 雄二

講座スケジュール

実施日 講座内容 担当講師
1 2022/10/13(木) 歴史における死──中世ヨーロッパの死の表現
人間の死が持つ意味は時代と地域によって千差万別で、歴史を振り返ることなくしてその多様性を理解し、現代日本を相対化する術はありません。そこで本講座の初回では、中世ヨーロッパを題材に大量死と個人の死の表現をそれぞれ具体的に紹介し、その背景にある歴史的文脈を解説します。
大貫 俊夫
2 2022/10/20(木) 映画における死の表象
映画は、どのように死を描くことができるのか。また、どのように描いてきたのか。映画、映像で死を描くことは、芸術的にも倫理的にも哲学的にも問題を提起します。本講義では、映画における死の表象をめぐる理論的考察をふまえ、様々な事例から映画、映像における死について考えます。
角井 誠
3 2022/10/27(木) キリスト教における死の瞑想と死者のための祈り
キリスト教徒はどのように死を見つめ、死に備え、臨終のときを迎えてきたのでしょう。また、人々は死者のためにどのように祈ってきたのでしょう。修道者と信徒の必携書『キリストにならいて』と『ミサ典書』から、死の瞑想、終油の秘蹟、死者のための祈りを取りあげ、考察します。
大須賀 沙織
4 2022/11/10(木) さまざまな死に方──あるいは死に憑かれたオーストリア文学
バロックから世紀末、戦後を経て現代に至るまで、ドイツ語圏の一部であるオーストリア文学は「死」のイメージに取り憑かれてきました。本講義ではベルンハルトやバッハマンら戦後の作家を中心的に取り上げながら、「死」と「書くこと」の関係について考えていきます。
金 志成
5 2022/11/17(木) 看護学の視点
死は、誰も体験したことのない出来事であり、その体験を語り聞くことができないからこそ不安や恐怖心が溢れてきます。まして、病気のためにその時が早まるとしたら「後悔」もまた溢れてくるでしょう。看護者の役割は、その時までその人が「善く生きることができる」ように支援することです。
織井 優貴子
6 2022/11/24(木) 生命科学の視点からの生と死──永遠の「生」のために必要不可欠な「死」
生物は40億年近く前に誕生して以来、進化しながら生き続けています。その結果、現在、地球上には多種多様な生物が存在していますが、全ての生物種において「死」は存続のために必要な手段として遺伝情報で運命づけられています。本講義では、生命に必要な死の生物学的意義を紹介します。
田村 浩一郎
7 2022/12/01(木) 日本仏教の死生観
死は生物にとって避けられないものであり、すべての宗教において最も重要なテーマです。2500年前に生まれた仏教、特に日本に伝来してから、私たち日本人はどのように死をとらえ、受け入れてきたのでしょうか。他の宗教との比較も含めながらお話を進めます。
松山 大耕
8 2022/12/08(木) 死を通して〈存在の意味〉を問う
われわれの存在は〈死〉によって限界づけられています。だから、〈存在の意味〉を問う哲学はかならずや〈死〉を問い、〈死〉を超えて〈意味〉を考えようとします。テクノロジーが、われわれの存在のあり方を大きく変えようとしているこの時代、哲学はどのように〈死〉を問おうとするか、パフォーマンスを試みます。
小林 康夫

備考

本講座に関係する著作・出演
『哲学への権利』西山 雄二 著作
『中世ヨーロッパ』大貫 俊夫 監訳
『レオス・カラックス』角井 誠 共著
『神秘の書』大須賀 沙織 共訳
『さまざまな一年』金 志成 編著
『医療と健康のための心理学』織井 優貴子 共著
『ビジネス ZEN入門』松山 大耕 著作
『君自身の哲学へ』小林 康夫 著作

※高校生は専用ページからお申し込みください。

※高校生の参加は無料です。8回シリーズの講座ですが、高校生は1回だけの参加も可能です。
※アーカイブ(録画)視聴も可能です。

講師

大貫 俊夫(おおぬき としお)
東京都立大学 人文社会学部 准教授

【プロフィール】
専門は中世ヨーロッパ史で、主にキリスト教修道制と社会の関わりについて研究している。主な著作としてOrval und Himmerod. Die Zisterzienser in der mittelalterlichen Gesellschaft (bis um 1350)、翻訳にアルフレート・ハーファーカンプ『中世共同体論──ヨーロッパ社会の都市・共同体・ユダヤ人』など。

大貫 俊夫

角井 誠(すみい まこと)
東京都立大学 人文社会学部 准教授

【プロフィール】
首都大学東京人文社会学部准教授。1982年生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学、パリ第1大学博士課程修了。専門は、フランス映画を中心とした映画研究。主な論文に「ルノワール・タッチ――『スワンプ・ウォーター』における俳優演出」(『映像学』91号)、主な共著に『映画を撮った35の言葉たち』(フィルムアート社、2017年)、主な訳書に『彼自身によるロベール・ブレッソン』(法政大学出版局、2019年)などがある。

角井 誠

大須賀 沙織(おおすが さおり)
東京都立大学人文社会学部 准教授

【プロフィール】
早稲田大学文学部卒業、同大学院文学研究科フランス文学専攻修士課程修了。ロータリー財団国際親善奨学生、フランス政府給費留学生としてパリ第4(ソルボンヌ)大学に留学、同大学Master2課程修了、同博士課程修了。博士(文学)。早稲田大学文学部フランス語フランス文学コース助教を経、2017年より東京都立大学人文社会学部フランス語圏文化論教室准教授。専門はバルザックにおける神秘思想とキリスト教文化。著書にSéraphîta et la Bible(『セラフィタと聖書』)(Paris, Honoré Champion, 2012)、翻訳(共訳)にバルザック『神秘の書』(水声社、2013)がある。

大須賀 沙織

金 志成(きむ ちそん)
東京都立大学 人文社会学部 准教授

織井 優貴子(おりい ゆきこ)
東京都立大学 健康福祉学部 教授、看護学科長

田村 浩一郎(たむら こういちろう)
東京都立大学理学部生命科学科 教授、生命情報研究センター長

【プロフィール】
東京都立大学大学院博士課程修了(1991年)。理学博士。生命情報研究センター長。専門は進化遺伝学、ゲノム進化学、バイオインフォマティクス。 ショウジョウバエを用いた実験生物学的研究を行う傍ら、分子進化、分子系統解析のための方法理論の研究や分子進化遺伝学解析ソフトウェア(MEGA)の開発を行っている。

田村 浩一郎

松山 大耕(まつやま だいこう)
臨済宗妙心寺退蔵院 副住職

小林 康夫(こばやし やすお)
東京大学 名誉教授

西山 雄二(にしやま ゆうじ)
東京都立大学人文社会学部 教授

【プロフィール】
博士(学術)。2001-03年、パリ第10大学(ナンテール)哲学科留学。2007年、一橋大学言語社会研究科博士課程修了。東京大学特任講師(グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター(UTCP)」)を経て、2010年より首都大学東京准教授、2020年より東京都立大学教授。
専門はフランス現代思想に関する研究、及び大学等における哲学教育のあり方に関する研究。2010年から2016年まで国際哲学コレージュのプログラム・ディレクター。著書に、『異議申し立てとしての文学――モーリス・ブランショにおける孤独、友愛、共同性』(御茶の水書房、2007年)、『哲学への権利』(勁草書房、DVD付、2011年)、編著に、『いま言葉で息をするために──ウイルス時代の人文知』(勁草書房、2021年)

西山 雄二

受付終了

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